便秘
IBDと便秘
潰瘍性大腸炎やクローン病というと、軟便や下痢など便に異常をきたすことが一般的です。
トイレに行く回数が急激に増えたり、便意をコントロールすることが難しかったりというイメージが強いですが、実は下痢や軟便に加えて便秘を訴える患者さんも多くいらっしゃいます。
一般的な便秘の原因
便秘自体は多くの方が経験したことがある症状ではないでしょうか。
ストレスによるもの、食生活の変化で起こるものなど、理由はさまざまです。
便秘には大きく分けて大腸の機能低下によって起きるものと、がんなど何らかの疾患によって起きるものがあり、その見極めが重要です。
慢性的な便秘症という方もいますが、中には慢性的な便秘ではなく大きな病気が進行していたというケースも少なくありません。
クローン病による便秘とは
IBDの中でも、便秘はクローン病の患者さんに多く見られる症状の一つです。
クローン病によって腸管が炎症を起こし、次第に狭窄が起こっていくことで便が通りにくくなってしまいます。
また、便秘が続くことで腸閉塞を起こすなど、さまざまなリスクにつながります。
潰瘍性大腸炎やクローン病の診断を受けた方で頑固な便秘に悩まされている方は、早めに病院で検査を受けるようにしましょう。
便秘を解消する食生活
便秘が気になる方は、食物繊維を豊富に含む食品を積極的に取り入れることをおすすめします。
穀物やいも類、豆類、ひじきなどの海藻、果物など、食物繊維は普段の食事から摂取しやすい栄養素です。
また、体内の水分が不足すると便が硬くなってしまうため、こまめに水分を摂ることも忘れないようにしたいですね。
朝起きてコップ1杯のお水や白湯を飲む習慣をつけると、腸の働きが安定すると言われています。
しかし、IBDを患っている方にとっては腸管の刺激になる習慣は逆効果です。
冷たすぎるお水や炭酸を含んだものは控え、体に刺激の少ない温度の白湯を飲むなどの工夫が必要です。