IBDと痔は間違いやすい?

IBDと痔は間違いやすい?

IBDを患っている患者さんの中には、「診断を受けるまで痔だと思っていた」とおっしゃる方が多くいらっしゃいます。
これは排便時の出血という点で、痔のイメージが強いためでしょう。
しかしIBDの症状と痔には明確な違いがあります。

IBDの血便と痔の違い

IBDによる血便や下血は、便が赤黒くなったり、白濁した粘液が便に付着していたりと、目に見えて違和感を覚えることがあると思います。
一方の痔では、ほとんどの場合鮮やかな赤い出血が起こります。
しかし、IBDと痔には何の関連もないかというとそういうわけでもありません。
IBDを患っている方の中には痔を併発している方も多くいらっしゃいます。

IBDが痔を悪化させる?

潰瘍性大腸炎やクローン病に伴い、痔が悪化するというケースをご存じでしょうか。
その理由は、IBD特有の頻繁な便意が挙げられます。
便座に長時間座っていたり、1日に何度もトイレに座ったりすることは、どうしても肛門に負担をかけてしまいます。
トイレに座る時間が長いことで血流の一点集中が起こり、痔になったり悪化しやすくなったりしてしまうのです。

クローン病と痔瘻

クローン病の特徴として、肛門周囲膿瘍という症状があります。
また、クローン病はお口から肛門までの消化管全体が炎症を起こすため、肛門付近で強い炎症が起こると裂肛や痔瘻などにつながるケースも多く見られます。
「痔がなかなか改善しない」と相談に訪れた患者さんが実はクローン病だったという話は珍しくありません。
若い世代の方で痔に悩んでいる場合は、そういった可能性も含めて一度詳しい検査を受けられてみるのもいいかもしれません。

一般的な痔の種類と治療について

一般的に痔は「痔核」「裂肛」「痔瘻」の3つに分類されます。
肛門付近にイボができるタイプを痔核、肛門が切れてしまうタイプを裂肛、痔によって膿のトンネルができてしまうタイプを痔瘻と言います。
痔核や裂肛は、生活の改善やお薬を用いた治療が可能ですが、痔瘻は手術をして完治させる以外に方法がありません。
どの痔も放っておくと日常生活で不便な思いをすることがありますので、痔かもしれないと思ったらぜひお気軽にご相談いただけたらと思います。

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