ドクターズインタビュー
IBD専門医として、
地域を支えていらっしゃるのですね
現院長の父である初代院長が当時掲げた「医療は地域住民の方々のため」というモットーを引き継いで、地域に根差した医療貢献に全力を尽くしております。
現院長・酒見泰介と、副院長・酒見亮介ともに、消化器内視鏡学会専門医として、熟練した内視鏡検査、そして難病である炎症性腸疾患(IBD)の専門的な治療を提供しています。
IBDは、現段階では詳しい原因や改善方法が解明されていない難しい病気です。
それでも、上手にコントロールすることができれば、ストレスのない生活を送ることが可能となってきています。
現在は国から難病指定されている病気ですが、少しずつ分かってきたこともあります。
私たちは、少しでも患者さんの笑顔を増やしたい、支えたいという思いで、日々の診療に励んでおります。
IBDは何歳くらいから
発症するのでしょう?
IBDには大きく分けて潰瘍性大腸炎とクローン病の2種類があります。
そのどちらも、小学生くらいの低年齢の時からも発症することがある病気です。
どちらかというとご年配より若年層の方のほうが身近な病気と言えますが、若い方ほどご自身が大変な病気にかかっているとは思われない傾向がありますね。
症状的な側面からも周囲に相談しづらい、周りも気づかないまま時間が経ってしまうというケースもあり、ずっと我慢されている方や、かなり進行している状態で来院される患者さんも少なくありません。
子どものIBDは、
周囲や自分が気づくことは
できるものでしょうか?
お子さんが自分で難病と言われる疾患であると気づくことは難しいかもしれませんが、体調の異変を親御さんに伝えていただくことが通院のきっかけにはなると思います。
「お腹が痛い」「便の様子がおかしい」など、ご自身の体調を言葉で大人に伝える習慣はとても大切ですね。
また、親御さんが「なんとなく子どものトイレが長い気がする」「聞いても話したがらないけど、病気なのではないかと心配…」など、お子さんの様子に違和感を感じることがあれば、一度当院へご相談いただけたらと思います。
症状的に、
病院に相談するのも勇気がいる…
という患者さんも
いらしゃるかもしれませんね
そうですね、多くの場合は腹痛や下痢といった症状から始まるため、放っておけば治るだろうと思って放置する方もいらっしゃると思います。
けれどなかなか改善せず、一人で悩んでしまっているという方も少なくないかもしれません。
しかし一方で、病院でなら話せる!と感じてくださる若年層の患者さんも多くいらっしゃいますね。
「先生に話してスッキリした」「大変な病気とはいえ、原因が分かって安心した」と笑顔で帰られることも多々あります。
通院の勇気を出していただく…というと大袈裟になりますが、一度相談してみようかな、と思っていただけると嬉しいですね。
IBDの患者さんは
不安も大きいと思いますが……
そういった患者さんのご不安を受け止めることも、私たちの使命だと思っています。
IBDは、病気と上手に付き合うコツが掴めれば、ストレスを抱え込まずに生活を送れるようになるでしょう。
そのためには、患者さんと医師の信頼関係が大変重要です。
検査や長期にわたる治療について、ご不安を感じる時は遠慮なくお話しください。
どうすれば患者さんの不安を軽くできるか、一緒に考えてまいります。
当院の検査は、辛さを軽くする工夫を行っていますので、従来の内視鏡検査に比べてずっと楽だというお声も多くいただいています。
医療費負担などの相談も、
ご対応いただけるのでしょうか?
ご存じの方も多いかと思いますが、潰瘍性大腸炎やクローン病は、厚生労働省が定めた難病医療費助成制度の対象です。
過去に難病申請をせず治療を続けてこられた経緯がある方なども、診断が確定していて症状をある程度認め、重症度を満たしていればきちんと申請をすることができます。
認定された場合、経済的なご負担も大きく軽減することができますので、安心して治療に専念いただけると思います。
私たちもさまざまな面でしっかりとサポートを行っていきますので、ご安心ください。
受診のタイミングを教えてください
お腹の不調は、日常的に起こるものです。
IBDのような大変な病気でも、初期は本当に「少しお腹の調子が悪いかも」という程度です。
そのため、患者さんご自身で異変に気づくことは難しいでしょう。
だからこそ、突然便秘や下痢を繰り返すようになった、排便に血が混じっているなど少しでも気になることがありましたら、躊躇せずに受診していただければと思います。
検査を受けて、難しい病気でないことが確認できれば大きな安心を得られるはずです。
IBDの治療で大切なこと、
知っておいてほしいこと
などはありますか?
IBDの治療とは、症状の落ち着いている時期(寛解期)をなるべく長く維持して症状をコントロールすることを目指します。
そのため、注意したいのは症状の改善や消失(寛解)を認めても、そこで治療を放棄しないでほしいということです。
特に潰瘍性大腸炎は寛解と再熱を繰り返す傾向があるため、お薬や通院をやめてしまうと後々症状が悪化してしまうというリスクがあります。
寛解を維持するためには治療を継続する必要がある、ということは全ての患者さんに知っておいていただきたいですね。