下血・血便
IBDと下血・血便
「下血」はあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、何らかの異常により肛門から血が出ることを言います。
似た症状で「血便」がありますが、実は血便と下血には大きな違いがあるのをご存じでしょうか。
血便は便に鮮血が混じっている状態、下血は古い血によって便が黒くなっている状態を指しますIBDの症状としては血便・下血のどちらも起こる可能性がありますので、受診の目安の一つとして覚えておいてくださいね。
下血や血便は大きな病気のサイン?
下血や血便の原因は、消化管の異常です。
血便は主に大腸や肛門、下血は胃や十二指腸に異常があることで起こります。
「痔だろう」と思って放置してしまう方もいらっしゃいますが、下血や血便には潰瘍性大腸炎とクローン病をはじめ、大腸がんやポリープ、十二指腸潰瘍など大きな病気が隠れていることがありますので、一度病院に相談することをおすすめします。
IBDになると血便が出るのはなぜ?
腸に炎症が起きると、下痢や腹痛、血便などの症状が現れます。
腸は範囲が広いので、どの部分の炎症が強いかによっても症状の出かたが異なります。
IBDでも、潰瘍性大腸炎の場合は血便が出やすいですが、クローン病の場合、それほど血便は多くありません。
血便や下血が引き起こす体の問題
そもそも血便や下血が起こっているということは、体に何らかの問題が発生しているということです。
しかし、血便や下血自体に痛みや苦痛を伴う症状がないため、中にはあまり意識せず放置してしまっている方も多いでしょう。
潰瘍性大腸炎になると、大腸の粘膜に多数の潰瘍ができ、粘膜が削れてしまうことがあります。
そのため、粘膜の下にある血管から血が滲むようになってしまうのです。
さらに消化管からの出血が悪化すると、貧血や発熱といった全身症状が現れるようになります。
血便や下血がある方は、ぜひ早めにご相談にお越しください。