腹痛
IBDと腹痛
IBDを患っている患者さんの多くは、お腹の痛みを訴えることがあります。
しかし、腹痛が起こったからといって必ずしも大きな病気であるとは言えません。
まずは痛みの頻度や場所、痛み方などを意識し、普段と違うと感じた場合にはお早めに受診いただくことをおすすめします。
潰瘍性大腸炎による腹痛
潰瘍性大腸炎の腹痛は、主に排便前、排便時の痛みを訴えることが多く見られますが、重症化の見られる患者さんになると、排便前後に関わらず腹部全体に激しい痛みが起こったり、時にはひどい痙攣性の痛みが起こったりすることもあります。
痛みの度合いは個人差がありますが、進行するにつれて激しい痛みが起こりやすくなるでしょう。
クローン病による腹痛
クローン病では腸の大部分に炎症が起きるため、腹部全般が痛くなることがあります。
また、症状が進行して腸の狭窄があると、差し込むような激しい痛みを認めることもあります。
とはいえ、患者さんによっては小腸と大腸の境界部分の右下腹部に痛みを感じやすかったり、下腹部に違和感を認めたりと、一概に「ここだけが痛くなる」というものではありません。
通常の腹痛との見分け方
腹痛自体は、多くの方にとってそれほど珍しい体調不良ではないでしょう。
お腹を冷やしてしまったり、食べ過ぎてしまったり、ストレスを抱えていたり、さまざまな要因でお腹が痛くなってしまうことは珍しくありません。
体調の変化と併せて、いつもと違うと感じることがありましたら、お気軽にご相談ください。
排便後も痛みが治らない
排便後も痛みが継続する、排便に関係なく痛みを認める、激しい痛みが改善しないという場合は、一度ご相談ください。
常に残便感がある
IBDの腹痛は残便感を伴うことが多く、なかなかトイレから出られない状態になることもあります。
一度トイレから出てもまたトイレに行きたくなる、トイレに入っても少量の便しか出ないなどの訴えがあります。
腹痛に下痢・下血を伴う
激しい下痢症状や血液の混じった便が見られる場合は、大きな病気のリスクも考えて一度検査を受けるようにしましょう。